ごあいさつ
凪らいふパートナーズの設立にむけて、私の背中を押してくれた人が2人います。
ひとりは父です。
2011年8月、父はすい臓がんの告知を受けました。
がんという、本人にとっても家族にとっても未知の恐れの中で、
生と向き合い、病と向き合い、死と向き合った父の姿は、尊敬の念以外なにものでもありません。
闘病の中での父の行動、出会った人々との関わり、父と過ごした時間のすべてが、
私をソーシャルワーカーへの道へと進めてくれました。
わたしはソーシャルワークを学びながら、その関心は「死生学」や「緩和ケア」に向かいました。
生と死、人生、家族、父が闘病の中で、どんなことを思い、どのような気持ちでいたのか、
少しでもそのこころに近づきたかったのが理由です。
また、当時の私は緩和ケアについての正しい知識を持っていませんでした。
緩和ケアは、治療をあきらめた、生きることをあきらめた人が受けるケアというネガティブな考えを持っており、
父の闘病に役立てることが出来ませんでした。
もし、私にもっと知識があったら、父は更に穏やかな毎日を過ごせたのかもしれない。
こんなことから、この思いを伝えること、自分自身が緩和ケアに関わっていくことは、
ソーシャルワーカーになった時、私のゆるぎない覚悟となっていました。
もうひとりは紳太朗さんという83歳の男性です。
紳太朗さんは、お家のことは何でもご自分でおやりになり、
週に2回は現役時代の多くの友人と勉強会と称して飲みに出かけられ、
海外旅行も独りで行かれるという、本当にお元気な方です。
数年前に奥様を亡くされていましたが、毎日顔を合わせる距離に息子さんご一家もお住まいで、
好奇心にあふれ、実行力があり、笑顔の絶えない方です。
わたしにとって紳太朗さんは、とても恵まれた方と映っていました。
ある年の暮れ、私は父を亡くして間もない、遠く離れてひとり暮らす母の孤独を思い、せつない気持ちになっていました。
そこへ、息子さん一家と忘年会を終え帰宅した新太郎さんからメールが来ました。
「ひとりでいる時の寂寞感(せきばくかん)※」と書かれたそのメールを読み、私ははっとしました。
子どもが巣立つ、仕事をリタイアする、伴侶を失う。
時がたち、自分自身や家族に変化が訪れ、誰かと寄り添い過ごしてきた日常の中に、「ひとり」を実感する時間が増えているのでした。
それは、息子さんやお孫さんとたびたび過ごされる紳太朗さんでさえ例外でないことに初めて気づいたのでした。
紳太朗さんの思いを知り、
「身近だけれどもあらたまった話が出来ない家族」と
「話しやすいけど時間も関係も制度に阻まれるヘルパー」。
どちらもが触れることのできないご利用者様の「こころの突っかかり」に一緒に向き合うこと、
これが私の原点となりました。
そして、その中で一緒にめざすものは、「凪」の時間。
風がやみ波が穏やかな海の凪のように、ゆっくりとした輝きで日常を照らしていけば、
その人生もまた凪の日々で満たされるはず。
そんな思いで、ご利用者様の「日常の生活」を大切にしていきたいと考えています。
※寂寞感(せきばくかん)
人の気配がなく、寂しい感じがするさま。また、心が満たされず、寂しいさま。
凪らいふパートナーズ代表
ソーシャルワーカー
地域ネットワークコーディネータ
岩田 聡子
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